【感想/レビュー】実写・亜人を見てきました。

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(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門講談社

どうも

お久しぶりです。約2ヶ月ぶりの更新ですかね。この2ヶ月間いろいろありました…。結婚式を挙げたり、携帯をなくしたり…。なかなか濃密な期間でした。それはともかく、先日実写・亜人を新宿TOHOで見てきましたので、簡単な感想なんかを書いてみたいと思います。

hlo.tohotheater.jp

 

過去にこんな記事も書きましたので、宜しければどうぞ。 

kenken726.hatenablog.com

 

 

 

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(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門講談社

所感

 原作は設定つかってる程度だが、そこを上手く「永井vs佐藤」「人類vs亜人」という構図の部分に振り切って作ったのは、良かったと感じた。映画のおおよそ2時間という尺に上手く収めようとすれば、それだけ散らかった作品になってしまうことが大半だからである。先述の永井と佐藤を対比して、その衝突に焦点を絞ったことで、「人→亜人という変化の中での葛藤」だったり、「亜人とは」だったりをうまく、その衝突の中に組み込む形で説明を省くことが出来たのだと思う。「怪我や痛みはあるが、致命傷を負えばリセットされ肉体が再生すること」「IBMと呼ばれる亜人特有の能力のこと」を詳しく言葉では説明せず、ストーリーに入っているにも関わらず観客をおいていかない作りには感心した。ラストシーンの対決に繋がるビルへの侵入方法など実に鮮やかかつ、亜人ならではのもので個人的にとても「わくわく」したものである。また、亜人ならではの特性である「死なない(リセットすることができる)」を存分に駆使した戦い方も非常に楽しく見ることができた。(がしがし出血するし、脳天撃ち抜いたりするため”楽しく”という表現が適切かは触れずにいようと思う。)「対亜人用の兵器である麻酔銃に関しても全身にその薬物が回りきる前に自ら絶命しリセットすることで、結果麻酔を無効化する」「痛みこそあるが、腕を意図的に切り落として、囮として使う」と、普通の人間では到底実現不可能な戦いの手法が多く取り入れられていた部分がそれにあたる。(実際のところ、ひとつひとつは少し考えればわかるようなものだが、リセットできない人間は実行に至ることができない、というのもなかなか興味深い。)とはいえ、亜人といえど、痛みはあるため同質の問題として恐怖は感じているものと見てとることができる。(原作では特にここにフォーカスされている話も冒頭多くある。)しかし、本作においてはこの部分を極力割愛し、「亜人である特性を活かす戦い」にすぐさま切り替わっていく主人公:永井の様子は、正直やや違和感も残る。逆に対比として描かれている佐藤にはそのような恐怖の感情、死生観の部分に大きな欠落を感じるのも間違いない。そういった圧倒的な強さも佐藤にはある。サイコパス…。

 

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(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門講談社

一方で

アクションがよかっただけにそれ以外の描写が非常に陳腐に見える部分もあった。ストーリーを構成する上で必要となるシーンだけを切り取って、都合に合わせて改変しているような印象も何箇所か感じてしまった。政府から追われる立場である永井が病院にあっさり現れたり、永井を亜人研究所から逃がすために佐藤と田中だけでそれに成功してしまう描写だったり。原作を少し齧っていたので、繋がる部分も多くあったが、あまりに切り貼りがすぎるシーンが多かったのも事実としてある。そういった意味で「アクション映画として」なら薦めることが出来るが、アクションはあくまで瞬間的なシーンであり、そのなかで物語が前に進むことはなく、言ってしまえば「物語がストップした状態で描かれるもの」が「アクション」という側面もある。つまり、本作のように、アクションシーンが多く、それを前面に押し出しているということは「=物語の停滞」、という構図であることも否定出来ないわけである。そのテンポの悪さをアクション中のBGM、カメラワーク、CGで補っている部分もあったが、「1本の映画」として見るには少し緻密さに欠けていたようにも思う。

 

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(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門講談社

ところで川栄

ここ最近ドラマに、CMに、広告にと引っ張りだこの元AKB川栄李奈。本作でほぼ初挑戦だったというアクションに関して、少し触れたいと思う。この年代では、特にアイドル出身の女優では珍しい、というか新境地である「小柄で動けて演技もできる」という稀有な女優に成長してきたことを感じざるを得ない活躍だったと思う。元々美人というよりは可愛いよりの顔立ちからは想像できないようなキレキレな動きを本作では見せてくれた。また、原作とは印象の違う下村ではあったが、彼女自身が思う「下村泉」というキャラクターは確実に演じることができていたのではないかと思う。本作では緩むことなく、常にピンと張り詰めたような演技が多かったが、本作の続編、他の作品ではそうした演技の緩急のような部分も見てみたいと思う。どんな役柄にも対応できる適応力、これからも多くの作品で彼女の活躍を期待しよう。

 

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(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門講談社

ともあれ

昨今の実写化の流れの中ではある意味異色を放つ一本だったと思う。ストーリーがちぐはぐな状況でここまでアクションに振り切って作るのも容易ではない。笑 またよくある手法ではあるが、続編制作を匂わせるシーンもあったため、次があるのでれば、どのような一本を作ってくるのか本広克行監督に期待したい。

 

ちなみに

過去亜人と東京喰種について書いた記事があるので、そちらも宜しければどうぞ。

 

kenken726.hatenablog.com

 

 

 

kenken726は…

IMAXでみたのもあって、邦画では珍しいくらい爽快でしたね。)

 

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