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アバウト・タイムを見て思ったこと、考えたこと ネタバレ あらすじ

日常 映画

こんばんは

昨日のことになるんですが渋谷UPLINKで見てきました。

 

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映画『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』オフィシャルサイト|大ヒット上映中!

 

とてもいい映画だった。一緒に見に行った彼女(映画をあまり見ない)もかなり気に入ったようでした。

 

設定やあらすじ、ネタバレなんかもかなりあると思うので「これから見るから知りたくない」って方は見ない方向でお願いします。

 

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こちらが本作の主人公ティム。物語は彼の目線で描かれます。

 

イギリスの南西部に住む彼はある日、父親に呼び出され、こう告げられます。「私達一族の男はある力を持っている。タイムトラベルする力を。」と。初めは信じられないティムでしたが言われたとおりクローゼットに入り、戻りたい時間と場所を強く念じると、彼は時を遡り、過去に戻ることができました。ここから物語は始まります。過去に戻ることのできる力を持った青年の物語が。

 

彼が力を使いながら学んでいったことを織り交ぜながらストーリーを追って書こうかなと思います。赤字は学び青字は感想。

 

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1.力を使っても愛は手に入らない。

ティムはこのタイムトラベルできる力を使ってまずガールフレンドを作ろうと画策します。力について知った年の夏、シャーロットという女の子と出会い、ティムは彼女に一目惚れしてしまいます。そこで彼女がロンドンへ帰る最後の夜、告白します。しかし彼女の答えはノー。そして「最後の夜に言うなんて最悪。もっと前に言ってくれたらよかったのに。」と彼女は言います。その言葉を聞いてティムは力を使い、過去に戻って再アタック。(実際は過去に戻っているので初めてなんですが)ところがシャーロットはこう言います。「ありがとう。でも最後の夜にもう一度気持ちを聞かせて。気持ちが変わってないことを祈るわ。」と。結局どのタイミングで告白しても彼女とはうまくいくことはなかったのです。そしてティムは学びます。力を使っても愛は手に入らないと。タイムトラベルと言えばまず頭に浮かぶのはドラえもんとBTTF(バック・トゥ・ザ・フューチャー)でしょう。どちらの作品でも過去に戻って行動を変えれば未来も変わると言うのが定番。しかし、このプロポーズ大作戦(みたいな)が失敗に終わったのはどんな力があっても人の感情を変えることはできない、ということを暗に示したかったのかな、なんて感じました。

 

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2.何かを得るためには何かを失う。

少し物語が進み、ティムは弁護士を目指してロンドンへ。父親の知り合いである脚本家のハリーの家へ転がり込みます。なんとか弁護士として働き始めるティム。ある日とあるバーで運命の女性メアリーと出会い、意気投合。連絡先も交換し、うきうきで家に帰るとそこにはうなだれるハリーの姿が。話を聞くとハリーの手掛けた舞台の俳優たちがセリフをしっかりと覚えておらず、最悪な初演だったとのこと。それを聞いたティムは過去に戻り、舞台の俳優たちになんとかセリフを覚えさせ、初演を成功させます。ハリーはイギリス1の脚本家と評されます。安心したティムは運命の女性メアリーに連絡しようと携帯を見ます。するとそこには彼女の連絡先はおろか、名前も登録されていなかったのです。ティムはハリーの舞台を成功させたことでメアリーに出会うはずだったタイミングを逃してしまったのです。そしてティムはなんの犠牲も負わずに何かを得ることはできないのだと学びます。ここで感じたのはティムの人柄の良さ。本当に自分のことにのみ力を使うこともできるはずなのに彼はハリーの成功のために自身の出会いを失うことを選びます。力の存在を知らないハリーにはもちろん感謝もされないのに。自分がもしティムの立場だったらと少し考えました。

 

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3.時間をかけることも時として必要。

メアリーとの出会いを失ったティムでしたが、新聞にケイト・モス写真展の広告を見つけます。メアリーはケイト・モスの大ファンだということを以前聞いていたティムは「もしかしたらその写真展に彼女が来るかも知れない」と考え、毎日その写真展に通いつめます。来る日も来る日も通い続け、ついにメアリーを見つけます。そして声を掛け、なんとか食事にこぎつけますが、話を聞くと彼氏がいるとのこと。運命の日(本来ティムとメアリーが出会うはずだった日を指します)の段階ではメアリーに彼氏はいなかったため、付き合い始めたのはその日よりも後だと考えたティムは彼女に彼と出会った正確な日時、場所を問い詰め、その瞬間に戻ります。そして出会いを阻止し、ついにメアリーと付き合うことになります。時間を遡ることのできるティムにとって時間は自由なものであるとも言えますが、それだけですべてが上手くいくわけではない、時として無駄とも思える時間の使い方も必要であるのだと彼は感じます。タイムトラベルができるのだから最速、最短のルートを選び、最も効率よく物事を進められるはず。しかし、それだけではできないこともある。例えば人との出会い。時間をかけたからこそ得られるものも人生にはあるのかも。

 

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 4.力の制約。

メアリーと順調に愛を育み、結婚したティム。ポージーという可愛らしい女の子が彼らの間に生まれ、そのポージーの誕生日が催されます。ティムやメアリーの家族はもちろん、ハリーも招かれお祝いムード。そこへティムの妹キット・カットが飲酒運転で病院へ搬送された連絡が来ます。病院に駆けつけるとそこには傷だらけの妹の姿が。タイムトラベルの力を使い、事故が起きなかったことにしたティムは意気揚々と可愛い愛娘ポージーが待つ我が家へ。するとそこには似ても似つかない男の子がいます。驚きを隠せないティムは自分の行動がポージーに何か影響を及ぼしたのだと考え、力について父に尋ねます。父が言うには「受精はほぼ奇跡的な現象だ。だから子供が生まれるよりも過去に戻って何かを変えると違う精子が選択され、違う外見の子供が生まれてしまうこともあるんだ。」とのこと。ここでタイムトラベルは万能ではなく、制約が存在することを学びます。かけがえのない子供という制約が。このシーンはラストシーンにも関わる重要な部分でした。力を制約するものが子供という幸せの象徴であることにはなにか深い意味があるようにも感じます。また、以前にハリーを助けた時には自分の幸せを代償にしましたが娘となればさすがにそうはいかない。再びティムは過去に戻り、妹キット・カットが起こす事故を阻止せず、病室で事故の原因でもある彼氏と別れる説得、という選択します。単に助けるのではなく、自分の子供を優先する選択。子供を持つ親となったことで心境の変化があったのだと感じました。やはり親になると違うのかな、なんて。

 

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5.父と子の物語へ。

メアリーとの間に子供も生まれ、幸せな家庭を築いてゆくティム。そんな彼に父は自身が癌に侵され、余命が幾許も無いことを告げます。癌の原因であるタバコはティムの父と母の出会いのきっかけであり、タバコを吸い始める前に戻ってしまってはティムやキット・カットが生まれない未来が選択されてしまう可能性もあるため、やめることができない、と父は語ります。やがて父は亡くなり、葬儀が執り行われますが、ティムが生き続けている間は父が行きている時間まで遡りさえすればいつでも父に会うことができるのです。しかし、時を同じくしてメアリーが3人目の子供を作りたいとティムに相談してきます。子供が増えることは幸せだが、新しい命の誕生は父との永遠の別れを意味します。決断に迷ったティムは過去に戻り生前の父と昔からよくやっていた卓球に興じます。卓球を楽しむ父の前でティムは泣き崩れてしまいます。同じ力を持つ父は彼の涙から別れを察知します。そして二人で過去に戻り、最高の1日を過ごします。これが最後とわかっていながらも海辺を散歩する二人からは本当に幸せを感じます。満足そうな顔で元の時間に戻ってティムはメアリーの提案を受け入れます。割愛していた結婚式の話を少しすると、結婚式のスピーチでティムの父はこう言います。「We are all quite similer…in the end. but,Try and marry someone…kind.(我々は最終的に皆似通ってくる。だから、どうか優しい人と結婚しなさい。)」人間、寄り道はたくさんしますが最終的に皆同じようなところへ向かっていく。そして最後のその時に、隣にいる人が優しい人であることが最も幸せなことだと父は息子に伝えたかったのでしょう。優しいと一言でいうのは簡単ですが優しい人は総じてそれだけでないことが多い。人の気持ちを思いやることができ、場の空気を読むこともできるかもしれません。優しい、という言葉には様々な意味が込められています。

 

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6.何気ない日常。

最後に父は息子ティムに「1日を過ごしたら過去に戻って同じ1日をもう一度過ごしてみなさい。そうすればきっと1度目は気づけなかった素晴らしいことに気づける。」と伝えます。この忠告通り、1日が終わるとまた同じ1日を過ごし始めるティム。2度目のティムは同僚の失敗を応援し、接客してくれた店員の何気ない笑顔に気づき、職場の内装が素晴らしいことにも気付きます。何気ない一日こそ幸せであり、大切な一日であること。常に感謝の気持ちを持てるようになり、ティムは次第に過去へ戻らなくともこれらのことに気づけるようになっていきます。タイムトラベルする必要など、はじめからなかったこと、人はみなタイムトラベルして日々を生きていることに気付きます。

 

 

ストーリーとして繋がらない部分もタイムトラベルの曖昧な設定も確かにある。しかし、本作の主軸はあくまで人生であり、人の生き方。特殊な力を敢えて描くことで私達が皆、特別であることにも気づかせてくれる。過去をやり直すことは誰であっても不可能なこと。だからこそ何気ない日々を刻んでいくことが大切であること。そしてそんなありふれた日常こそが愛おしい時間なのだということを教えてくれる。

 

きっとあなたも誰かに優しくしたくなる。

 

いつものように 大切な家族や

友人とゆっくりと話をして過ごしたい

何気ない時間にこそ

幸せがあると言うことを味わって

人生最後を終えられたら本当に素晴らしいね

リチャード・カーティス(本作監督・脚本)

 

 

 H28.11.15追記

有り難いことに、”アバウト・タイム”と検索して、かなりの方がこのページを見てくださっているようで。今後はそうなったときのことを考えて書くようにしよう…笑 

 

kenken726は…

(本当にオススメできる作品。)

 

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