蛙のような目で

 

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最近のことだが、異動に伴って通勤経路が変更になった。
それによって従来の通勤経路では経由しないような規模の駅を通過することにもなったわけだが、規模が大きくなれば、それだけ人の種類も増えるわけで、とりわけ私が気になって見てしまうのは行き交う人々の表情と服装である。
少し詳しく話してみようではないか。
まず表情。
これは言うまでもなく通勤時と帰宅時で大きく異なるように思う。
私の仕事柄朝は早いのだが、同じ時間帯に出勤している者は少なくない。
彼らの表情を見ているとハツラツとした表情で何らか読み物に目を落としている者もいれば、蛙のような目をスマホに向けている者もいる。
では帰宅時はどうか。
これは皆一様である。
疲労を浮かべ、眠りに落ちる者もいれば、虚ろに虚空を見つめている者もいる。
そしてそうした人々を目にしたとき、私自身は服装にも目を配ってしまう。
スーツ姿の男性であれば革靴の艶や汚れを確認し、ジャケットの上に羽織るコートの皺を見てしまう。
なにを知っているわけでもないが、彼らの生活を推察することもある。
年齢、職業、家族構成、日々の楽しみ、今日の感想などがそれにあたる。
そうした推察に意味はない。
意味のないもの、薄いものはどちらかとい言えば毛嫌いするたちだが、こうした行為はほとんど無意識下で行われているようであり、それを止めることもせず、促すことも私自身はしない。
そんなことを考えながら、今日も“筆”もといキーボードに指を走らせている。
明日は休日だ。
どうやら天気はよさそうであり、日々成長を感じる息子のための“諸々”を調達に出掛けることになるだろう。
夕方、家に帰れば、息子と風呂に入り、寝かしつけて妻と夕食をとる。
そんな当たり前で他愛のない休日を過ごせることを期待しながら今日も床につく。

 

kenken726:カタカタ…