【心理学入門】少ない報酬で満足感を与える“認知的不協和理論”とは

 

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心優しい彼氏:お金はないけど彼女を喜ばせてあげたい。どうしたら…。

心優しい旦那:お小遣いは少ないけど、奥さんを喜ばせてあげたいな…。

 

こんな人たちのお悩み解決のヒントになるかもしれない、心理学のテクニックを見つけたので紹介しようと思います。

 

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1.認知的不協和理論とは

得られるものが少ないほうが満足し、献身的になろうとする心理状態のことです。

アメリカの社会心理学者レオン・フェスティンガーは、労働者は労働が過酷であればあるほど、安い賃金でも満足しやすいということを実験で証明しています。

その実験ではまず、複数の学生グループに単純作業をさせ、作業の感想を聞きました。学生たち全員が「つまらない」と評価しました。その後、高額の報酬と少額の報酬を与え、それぞれ作業の評価を聞くと高額報酬のグループは評価が変わらなかったのに対して、少額報酬のグループは「おもしろかった」と評価を変えました。

少額の報酬にもかかわらず、彼らが評価を変えたのは、過酷な(単純な)仕事なのに報酬が少ないことを「自分の評価が低いからではない」と否定するために「自分が楽しいからやったのだ」「やりたいからやったのだ」と自ら思い込ませようとする心理が働いたからです。

このように人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を解消するために、自身の態度や行動を変更することを“認知的不協和理論”といいます。

 

2.例えば煙草と喫煙者で考えると?

以下の条件下で喫煙者がどのように考えるかを考えてみようと思います。(Wikipedia参考)

  1. 私は煙草を吸う
  2. 煙草を吸う人間は肺がんになりやすい
  3. 喫煙者で長寿の人間もいる
  4. 交通事故で死ぬ確率のほうが高い

1,2の条件のみを認知している人間は、肺がんになりやすいことを理解していながら、煙草を吸うため、自分自身に矛盾を感じます。

では1,2,3の条件を認知している人間はどうか。彼らは煙草と肺がんの因果関係に矛盾を感じていましたが、喫煙者でも長寿の人間がいることを認知したことで「であれば自分も長生きするのではないか」と根拠のない状態になりやすくなります。

さらに4の条件を認知すれば、喫煙者でも長寿の人間がいるわけだし、仮に煙草によって肺がんになって死ぬことよりも、交通事故によって死ぬ確率のほうが高いのだから、喫煙してもいいはずだ、と考え始めます。

これらの考えは一切の根拠に基づいておらず、支離滅裂と言えますが、自分自身が感じている矛盾に対して、自分自身の考えや行動を変化させることで、その不快感を取り除こうとします。

 

一例ですが、アメリカのとある煙草関連企業では以下のようにキャンペーンを打しています。

煙草を吸う人が肺ガンになりやすいのは、煙草が肺ガンを誘引するのではない。ストレスを抱えている人がストレスを和らげるために煙草を吸うだけであり、ストレスが要因となって肺ガンを引き起こすだけで、煙草と肺ガンの間に因果関係はない。 

このようなキャンペーンを安直に信用することも一種の認知的不協和理論といえます。

 

3.認知的不協和理論を恋人や夫婦に応用するには?

こちらは簡単。自分の弱みをあえて見せること、これだけです。

冒頭の悩めるメンズたちは共通して「お金がない」ことに悩んでいますが、悩まずにむしろ自分の弱みとして相手に見せるべきです。

例えばですが、「あまりお金がなくて、いい(高級)レストランにいけなくてごめんよ。でもボーナスが入ったら必ず(高級レストラン)連れて行くからね」と言っておきます。すると、彼女(奥さん)は「彼と高級店になんて行けなくてもいい。私は彼と一緒にいることが楽しいんだから。」と自らの本音をすり替えるようになっていきます。このような考えが刷り込まれていくと、やがて彼女(奥さん)は恋人(旦那)に尽くすことに喜びを見出すようにもなります。また、たまには本当にお金をかけたプレゼントや高級店に連れて行ってあげることで、より印象深い出来事になるはずです。

こうした恋愛関係にも認知的不協和理論は応用することができます。

※勿論全員があてはまるわけではないので、激しい思い込みは禁物です。

 

4.まとめ

今回は“認知的不協和理論”について書いてみました。必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、こうした知識を持っているかどうかで、アプローチの選択肢が増えるのは言うまでもありませんよね。悪い方向に使うのではなく、恋人との幸せな時間、夫婦円満のために使ってみてはいかがでしょうか。

 

 

kenken726は…

心理学は結構好きな分野です。