【歌詞考察】『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』 主題歌 Official髭男dism『Pretender』

 

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先日、『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』を見てきました。

そのときの記事は以下。

 

kenken726.hatenablog.com

 

主題歌のOfficial髭男dism『Pretender』も気になって、繰り返し聞いてみて思ったところを書いてみようと思いましたので、纏めようと思います。

 

 

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0.ところでOfficial髭男dismって?

まず読み方ですが「オフィシャル ひげ ダンディズム」と読みます。

以下wikipediaより引用です。

  1. 2012年6月7日結成。バンド名の由来は髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたいという意思が込められている。
  2. 島根大学と松江高専の卒業生で結成されており、愛称は「ヒゲダン」。
  3. 2015年4月22日 1stミニアルバム「ラブとピースは君の中」をリリースし、インディーズデビュー。
  4. 2018年4月11日 1stシングル「ノーダウト」をリリースし、ポニーキャニオンからメジャーデビュー。Billbord Japan Hot 100で16週連続チャートインを記録。
  5. MTV VMAJ 2018で最優秀邦楽新人アーティストビデオ賞をメジャーデビュー曲「ノーダウト」で受賞。
  6. 2018年10月18日シングル「Stand By You EP」をリリースし、全国27局のFM/AM局でパワープレイを獲得。10月度オンエア回数月間1位を獲得。表題曲「Stand By You」はノンタイアップ曲Billbord Japan Hot 100で初のTOP10入りを果たした。

4.の「ノーダウト」がドラマシリーズ『コンフィデンスマンJP』の主題歌に起用されたことで、今回の『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』主題歌も決まったようです。

 

1.まずは曲『Pretender』を聞いてみて


Official髭男dism - Pretender[Official Video]

Pretender』は「何かのふりをする人」「詐称者」という意味なんだとか。ここはシンプルにタイアップ曲ぽいです。

 

2.歌詞は?

君とのラブストーリー
それは予想通り
いざ始まればひとり芝居だ
ずっとそばにいたって
結局ただの観客だ
感情のないアイムソーリー
それはいつも通り
慣れてしまえば悪くはないけど
君とのロマンスは人生柄
続きはしないことを知った

もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな そう願っても無駄だから


グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも
甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」


誰かが偉そうに
語る恋愛の論理
何ひとつとしてピンとこなくて
飛行機の窓から見下ろした
知らない街の夜景みたいだ


もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
いたって純な心で 叶った恋を抱きしめて
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな
そう願っても虚しいのさ


グッバイ
繋いだ手の向こうにエンドライン
引き伸ばすたびに 疼きだす未来には
君はいない その事実に Cry…
そりゃ苦しいよな
グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」
それもこれもロマンスの定めなら 悪くないよな
永遠も約束もないけれど
「とても綺麗だ」

Official髭男dism Pretender 歌詞 - 歌ネット より引用

 

3.1番の歌詞の意味、考察

君とのラブストーリー
それは予想通り
いざ始まればひとり芝居だ
ずっとそばにいたって
結局ただの観客だ
感情のないアイムソーリー
それはいつも通り
慣れてしまえば悪くはないけど
君とのロマンスは人生柄
続きはしないことを知った

もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな そう願っても無駄だから


グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも
甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」

 Official髭男dism Pretender 歌詞 - 歌ネット より引用

青字は歌詞の意味、赤字は考察

気になる相手や好意を寄せる相手がいても、それが相手に届かなければ、ただの妄想で終わってしまいます。それは結局ひとり芝居をしているのと同じこと。

それはわかっていることだけど、せめてもっと違う形であなたと出会うことができたなら。そんな風に思ってしまいながら、それが無駄であることにも気づいている。

僕にとって君はどんな存在かわからないけど、それを知ってしまったらもうひとりで妄想することもできなくなってしまう。

ただひとつわかっているのはあなたが綺麗だということ。

 

一人称が“僕”であることからもわかりますが、全編男性目線の曲。

なんとか一歩踏み出したいと思いながら行動するものの、答えは芳しくないものばかり。繰り返し断られることも“慣れてしまえば悪くはないけど”なんて思ってしまうほど、彼は彼女のことを想っています。

“君の運命のヒトは僕じゃない”というフレーズは比較的良く見聞きしますが、この曲においては「相手からの好意を感じながら、もっと相応しい相手がいるから」という意味ではなく「自分自身を納得させるため」の言葉です。

「運命ってものは予め決まっていて、その相手が僕じゃなかっただけのこと」とでも考えなければ、やっていられない感情が見えます。

恋する相手に触れたいはずなのに「痛い」「甘い」というフレーズが使われているのは、自分自身がその状況を整理できておらず、どう感じているのかわからない、あるいは本当に両方感じているのかもしれません。

サビで繰り返し使われている“グッバイ”も自分自身の気持ちに区切りをつけ、彼女とのロマンスを諦めようとしていることが読み取れます。

 

4.2番の歌詞の意味、考察

誰かが偉そうに
語る恋愛の論理
何ひとつとしてピンとこなくて
飛行機の窓から見下ろした
知らない街の夜景みたいだ


もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
いたって純な心で 叶った恋を抱きしめて
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな
そう願っても虚しいのさ


グッバイ
繋いだ手の向こうにエンドライン
引き伸ばすたびに 疼きだす未来には
君はいない その事実に Cry…
そりゃ苦しいよな
グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」
それもこれもロマンスの定めなら 悪くないよな
永遠も約束もないけれど
「とても綺麗だ」

Official髭男dism Pretender 歌詞 - 歌ネット より引用

青字は歌詞の意味、赤字は考察

彼女とのロマンスを諦めた彼にとって、恋愛の倫理なんてものは他人事。

ピンとこないし、知らない街を眺めているのと同じ。

あなたとの未来は諦めたけど、それでもやっぱり違う形で出会うことができたらなんて思ってしまうし、選びたかった、あれこれ考えず気持ちも伝えたかった。

でもそんな願いは叶わないし虚しいだけ。

せめて夢の中だけでもとあなたと繋いだ手。

でもその先に見える未来にはあなたはいない。

そんな状況は辛いけど、それでも離れたくないし、離れられない。

やっぱりただひとつわかっているのはあなたが“とても”綺麗だということ。

 

諦めたはずのあなたの未来を未だに妄想してしまう。妄想というと気持ち悪く感じるかもしれませんが、そのくらい強く思ってしまっていることの現れだと思います。

そしてその妄想、夢の中でさえ、未来が見えない。

“それもこれもロマンスの定めなら 悪くないよな”というフレーズがありますが、ロマンスには「男女間の愛情に関する話、または事件」という意味の他に「現実にはめったにないような(冒険的な)物語、伝奇小説」という意味があります。つまり、彼と彼女のロマンスは「現実にはめったにないような(冒険的な)物語、伝奇小説」なのでしょう。そして「その定めだからこそ僕たちは上手くいくことがないんだ、仕方がない」と思うことで、自分の気持ちを整理しようとしています。逆に言えば、そうした「定め」があるということは彼女との間に確かに「ロマンス」や「愛情」が存在していたと自己暗示しているともとれます。

“永遠も約束もないけれど”というフレーズは、恋人同士が使う言葉だという認識が彼にはあることを匂わせます。永遠に一緒にいることを誓うことも約束することもできないけど、ただ「とても綺麗だ」と彼は想っています。もしかすると綺麗だと彼女に伝えてすらいないのかもしれません。

 

5.『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』との関係性は?

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©2019 「コンフィデンスマンJP」製作委員会

以下『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』に関するネタバレがありますので、未見の方は6に移ってください。

映画との関係性というところで言うのであれば

  1. ダー子とジェシー
  2. ダー子とボクちゃん
  3. ラン・リウとコウ・カイトウ

の3組が思い浮かびます。

1,2に関しては、お互い詐欺師として出会ってしまっていなければ、恋仲になっていたかもしれない組み合わせです。

3に関しては、初恋の相手でありながら、政略結婚させられ、そして最終的には離婚させられてしまった組み合わせです。この2人も出会い方が違っていれば幸せな未来を過ごしていたかもしれません。

というのはあくまでダー子が仕掛けた罠、シナリオだったわけですが、それは彼女が詐欺師だから。本当のダー子がジェシーやボクちゃんに対してどんな感情を抱いているのかは誰も知ることはできません。

 

6.まとめ

今回は『コンフィデンスマンJP-ロマンス編-』 

主題歌 Official髭男dism『Pretender』について書いてみました。

男性としてはかなりのハイキーですが、どこか優しさがあり、それでいて悲しいような雰囲気も纏っている曲です。

映画の主題歌としてだけでなく、曲単体としても素晴らしい。今後もOfficial髭男dismの活動には注目していきたいと思います。

 

kenken726は…

グッバイ 君の運命のヒトは僕じゃない〜