【止まらない快進撃】「君の名は。」の興業収入がどのくらいやばいのか歴代邦画興業収入ランキングから見てみる

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いよいよ

12/7現在での興行収入が200億突破しましたね。もっと前から突破してたかも。
これだけでも「なんとなく凄いのかな?」と受け取ってもらえると幸いなんですが、正直額が大きすぎてよく分からない。ではまず、いわゆる大ヒット映画の興行収入と比較することでその「凄さ」を感じてもらえたら、と思います。
 
 

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こちらが

歴代邦画の興行収入ランキング。
 
 

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上からいきますが、まずは千と千尋の神隠し」304億円。これはさすがにジブリに見向きもしない人でさえタイトルくらいは聞いたことがあるでしょう。この作品がヒットした背景には宮崎駿ジブリの圧倒的知名度に後押しされた、的確なキャラクターの作り込みでしょう。カオナシにしても、坊にしても、ハクにしてもフィクションでありながら、どこか現実世界にも通ずる深さがあり、ポップなアニメ作品にこれでもかと闇を作っています。アニメ映画といえば子供向けなものが多いですが、ここまでの大ヒットを記録するには、全世代への人気が必須であり、それを実現した数少ないアニメ映画と言えます。

さすがの「君の名は。」先生も手も足も出ない。湘北と愛和学院くらいな状態。(実際そうかは置いておいて)
 
 
 

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次に、ハウルの動く城」196億円。これは解散騒動で話題のSMAP木村拓哉が主人公ハウルの声優を務めたことで注目された作品。正直この作品で「ジブリは終わった」なんて不評も当時は多くありましたが、裏を返せばそんな評価が多数出るほど、多くの人が作品を鑑賞したことに他なりません。この頃から声優をタレントが務めることが増え始め、現在では皆さんの知る通りの状況。とはいえ、魔法と愛をテーマにした作品らしく、眼に映るシーンは常にどこか非現実的で、もう一つの世界に迷い込んだように錯覚するほど。さて肝心の「君の名は。」と比べてですが、映像美だけなら当然「君の名は。」が優っているでしょう。ただ、「ハウルの〜」には元々原作があることもあり、設定や世界観、キャラクターが際立った作りになっています。「君の〜」が作品を見て、自分の生活とリンクできる部分、共感を得ることができる余地を残すスタイルなのに対して、「ハウル〜」はその世界に引き込んで体験として楽しませるスタイル。この点が、数字となって現れているのではないでしょうか。(現段階での話)
 
 
 

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次にもののけ姫」192億円。当時のキャッチフレーズは「ナウシカから20年」「生きろ」だったかと思いますが、こちらも言わずと知れた名作。ハウル同様にこのあたりから「ジブリブランド」の確立は目覚しいし、当時の邦画では、物語のスケール、自然と人の関係性や環境破壊というテーマに沿った描写は抜きん出ていた、というほかないです。当時の風潮としてあった「自然は素晴らしいものだ」にも合致し、かつ、マスコミの後押しもあったことで、爆発的なヒットに繋がったのだと考えます。勿論、今の技術を持ってすれば、よりリアルな、より正確な描写が可能だとは思いますが、いつ見ても何かしらを訴えかけてくるのは、紛うことない作品自体の力なのではないかと思います。
 
 
 

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そしてこの1位、2位に割って入るのが君の名は。です。ここまで紹介してきた三作品はいずれもジブリ作品であり、宮崎駿作品。すなわち、「日本のアニメ業界は常に宮崎駿ジブリが牽引してきたこと」がこの数字からうかがえる。ところで「君の名は。」の監督は、新海誠という方。言ってしまえば、本作が公開され、大ヒットに至るまで、知りもしなかった人が大半でしょう。かく言う私も大差はないのでお気になさらず。更に本作のヒットの仕方として特筆すべきは、圧倒的なレビュー数、そしてその拡散性でしょう。俗に言う口コミ。今年のヒット作として併せてあげられることが多いだろう、シン・ゴジラも同じ売れ方をしたと言えます。具体的には、作品そのものの魅力に加えて、鑑賞した人たちがtwitterFacebookInstagramなどなどで次々と「良かった!」「泣いた!」といったレビューをとてつもないスピードで拡散し続けたことを指します。一般的に口コミやレビューは制作側が狙って作っていくような印象がありますが、今年の映画業界では、特にこの2本に関しては、完全に制作側の手を離れていたように思います。映画やアニメ、特撮に興味のない人でも、自分の知っている周りの人が、自分の好きな芸能人がおすすめしていれば、自然と映画館に足が向くでしょうし、見たくなるはず。
また、この2本に関して、さらに特徴的なのは、一人あたりの鑑賞回数。例えば「君の名は 何回」などと検索すれば、「3回見て〜」や「3回見る用の〜」などといったページがヒットしているのがわかります。ゴジラに関しても同様。
君の名は 何回 ←リンク
シンゴジ 何回 ←リンク
同じように「千と千尋の神隠し 何回」と検索しても同じようなページがヒットしないことからも、この2本の売れ方が異様なのが伝わったでしょうか。同じ人が、同じ映画を、映画館で複数回見るという行為を自分がすることを想像してもらえれば、どのような事態なのかご理解いただけるはず。逆の視点から考えてみると、日頃から映画館で映画を見る習慣のない人が、1本の素晴らしい作品と出会ったことで、何度も映画館に足を運ぶという現象が起こったとも捉えられます。1回の金額が約¥1800ということを踏まえても、そこに投資するだけの価値を感じれば、人はそこに迷わず投資するといえる現象ですよね。
 
 
 

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とまあ

あれこれ書いてきましたが、今年、2016年の邦画界のヒットはこれからの業界にも、作品にも間違いなく影響を与えるものだと思いますし、プロモーションなどの付帯する部分にも影響することは間違いありません。(SNS関連への打ち出し方とかね。)それはそれとして、邦画の興行収入の記録が軒並み塗り替えられたのは、実に15年ぶり。15年あれば、赤ちゃんが高校生になるし、小学生がアラサーになるわけで。そのくらい長い間塗り替えられないくらい凄い記録だったとも言えますし、また15年くらいあれば素晴らしい作品と出会えるとも言える。まだまだ飽きの来ない趣味になりそうで嬉しく思う限りです。
 

 

kenken726は…

(見たい映画がまだ、まだ、たくさん、たくさんあります。)

(というか「ですます調」「である調」の統一が未だに未熟。)

 

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