【ネタバレ有り】「ピエロがお前を嘲笑う」を渋谷アップリンクで見てきましたよと。考察/感想 

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見てきました。

先週ですが、渋谷アップリンクでたまたま公開してたので。あらすじとかキャストとかは公式HPから拾ってもらうとして、感想とか疑問、解説/考察を中心に少し書きたいと思います。

pierrot-movie.com

 

一言で

いうと「天才ハッカーグループが国内の管理システムをハッキングするうちに、殺人事件が起こってしまい、グループメンバー全員の存在を世間的にないものにしたいけど、難しいから病気のフリして上手いことやっちゃおう」てな具合の話かなと。めちゃくちゃ省いてるので見てる人じゃないとまずわからないはず。

 

で、見る前から

まさかの結末に〈100%見破れない〉〈騙された〉という観客が続出

ドイツで大ヒット、ハリウッドがリメイクも決定!

驚愕の〈マインドファック〉ムービー

とバンバン宣伝してたんで、かなり期待して見に行ったんですよ。そして多くの方もそうだったように「どのシーンも見逃さない」と意気込んで見ちゃったんですね。これがよくなかった。

 

端的にいうなら「もう一捻り欲しかった」てな話なわけですよ。ほら、最終的なオチは「多重人格の遺伝をチラつかせて、グループ犯だと思っていたCLAYはすべて主人公:ベンヤミン1人の仕業だと思わせることで、グループ全員の存在を隠しちゃおう」じゃないですか。勿論、ここには同時にベンヤミン本人が新しい戸籍を得て、逃げ延びる魂胆もあったとは思うんですが、やっぱりオチが弱い。ラストの車の中で「人は見たいものだけを見る」といいながら、ベンヤミンが角砂糖を使ったマジックのタネを明かすシーンがありましたが、ここでいう「見たいもの」っていうのが角砂糖であり、CLAYのメンバーなんですよね。ホテルの一室に死体がなければベンヤミンの自供は嘘だと疑うし、左手に持ち替えたと思えば、角砂糖が右手にあっても人はその「思い込み」を処理するんですよね、都合よく。作品の中でもちょくちょく出てきてた「人をハッキングする」が最終的に成功したというオチだったのかなと個人的には思いました。

 

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構図は

CLAYはハッカーのグループ→ベンヤミンの思い込みですべてベンヤミンの人格だった→結局CLAYは存在していて、メンバーもいた

 

てのは、「なるほどー」って思いましたけど、なんというか予想の範疇を出なかったというか。ファイトクラブシックスセンスインセプションも見てきた人からすれば「多重人格オチじゃないの?」と予想はできたと思いますし、裏切られた感が少なかった。面白いことは確かなんですが、宣伝の段階で「すごいオチがあるぞ」「見破れるものなら見破ってみろ」と言わんばかりの言葉が飛び交っていただけに、見る側がかなり身構えちゃったんだと思うんですよね。それでも分からないオチを期待して映画ファンは見たけど…てのがこの映画に感じる平凡感の正体なのかなと。見終わった後に「あーでもない、こーでもない」とか言いながらつい考えちゃうようなワクワクが続くような映画がいいですよね。

  

 

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ここまで

マイナスなコメントが多いですが、勿論良かったところも多々あります。まず1つはハッカー同士が連絡を取り合う闇サイトの様な場所が、地下鉄のような描かれ方をされていたこと。画面に映ってるのは勿論人なんですが、ネット感というかサイバー感というかいろんな被り物をしたハッカー達が吹き出しで話すのはマトリックや僕らのウォーゲーム、サマーウォーズなんかを少しだけ思い出したし、なんかカッコ良かった。

 

 

 

 

 

あと、この映画の楽しみ方の1つとしてあるのは、「どれが本当で、どれが嘘なのか」についてとことん追究することかなと。最終的なオチは割とシンプルなのでそこにいたる要素がどうなってのかに注目するのは面白いと思います。マリのくだりとかMRXはあんだけ引っ張っといて普通の学生かよ、とか。友人と語るでもいいですし、そうすることで2回目も見ようかな、ってなりますし。個人的には「こうだったらもっと裏切られたのに」みたいなの考えるのも嫌いじゃないです。(余談ですが、あの宣伝の仕方は何回もリピートしてもらうというより興味持ってもらって如何に1回目を見てもらうか、に重きを置いた戦略だったのかなとも思いました。)

  

 

 

 

 

kenken726は…

(面白いけどハードル上げすぎだったかな。裏切りのサーカスもそうだったけど、ドイツ映画と相性悪いのかな…。)

 

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