東京五大美術大学連合卒業・修了制作展

こんばんは
けんけんです。(@takotako726

今日は昼前から新東京国立美術館で開催中の
東京五大美術大学連合卒業・修了制作展
に行ってきました。

ようするに美大の卒業制作、修了制作の展覧会です。
いや、すごかった。
そりゃよくわかんない作品もたくさんあったけどすごかった。

作品は

日本画
油絵
版画
彫刻

大きく分けると、この4種類なんだとか…

なかでも気になった作品のタイトルと印象を。
写真はなんとなく撮らなかったのでイメージで。


・抹香
約2mのキャンパス2枚を使った油絵の作品。
どちらも同じ場所からの風景だが、一方には高い建物がなく広場にたくさんの人影が。
そしてもう一方には近代的な高いビルが立ち、同じ場所で街を眺める1人の少年。この少年だけは両方に。
そして2つの作品を関係なくまたがるように白いクジラが空を泳いでいる。

恐らく、空に泳いでいるのは「マッコウクジラ」。この「マッコウ」と「抹香」がかかっているのだと思います。そして「抹香」の本来の意味である「香の一種で焼香などにも使われるもの」と「2つの街の風景」が関係していると思います。焼香は亡くなった方へ「深く心を捧げる」という意味。つまり「失われた街の風景」と「人々が集う場所」そして「そこからいなくなってしまった人々の交流」これらに対して1人だけ同じ場所から景色を眺める少年が「深く心を捧げている」のではないだろうか、そんなふうに感じました。色使いもきれいな作品。

・泳がぬ魚
こちらも油絵の作品ですがそれだけじゃない。キャンバスに描かれた布団と枕。そこにプロジェクターで映像が。その内容はタイトルの通り「魚」それから「布団で寝る人の姿」そして「その人が見ている夢」「泡」など。

映像と絵の融合をとてもシンプルに、かつ見るものを引き込む作品としてまとまっていたように感じました。(上からみたいだな)「人が夢の中で魚になった」のか「魚が夢を見ている」のか「人も魚も寝ているときは泳がないし、動かない」なのか。タイトルと作品の関係を考えたくなるような作品でした。

・at the cost of many lives
こちらも油絵。三枚のキャンバスを使った作品で右から「植物(木の実)→とんぼ→ミツバチ」と描かれている。そして場所こそ違うものの、中央付近に描かれている色とりどりの塊のようなもの。植物、昆虫たちは繊細なタッチ。

直訳すれば「多くの生命を犠牲にして」。最後の一枚がミツバチなのでなんとも言えませんが(ススメバチなら肉食だから連鎖が成り立つ?)恐らく「食物連鎖」についての作品なのでは、と感じました。となればミツバチの次に描かれるのは動物なのか、それとも人間なのか。作品全体のテーマもなんとなくですが感じることができ、その先を想像させられる作品。とても繊細なタッチで描かれた木の実、昆虫は写真のようでした。(実際は白と黒が大半を占めている作品です)

・9:22下北沢
油絵。下北沢の町並みの一部分を切り取ったような作品。パステル調の色使い。

この作品は全体的にぼけさせたような色使いで、輪郭などがはっきりしていません。それがまたいい。中央に描かれた祠に見覚えがあったので、恐らく下北沢駅からすぐの場所だと思います。見覚えのある景色だと妙に親近感がわきますよね。またあの映画館行きたいな。

・カスタマイズUMIUSI
(たしか)油絵。9匹のウミウシが実在しない模様で描かれた作品。(実在しないかは多分)紫や黄緑など自然界に珍しい色使いの作品。

とてもきれいな作品でした。皆さんがウミウシをご存知がわかりませんがなんかぐにょぐにょした生き物です。海にいます。いろんな模様、種類があり、新種がよく発見されます。(よく、と言ってもそんなにですが)そんなウミウシの可能性、「こんな柄ならいいのに」のような気持ちなのかな、なんて。また、形、生態に不明な部分が多いことから「宇宙から来た生物なのでは?」と言われるところに掛けて「ウミウシ」ではなく、「UMIUSI」にしたのかな、なんてことも思いました。お洒落な喫茶店とかにあっても全然いいと思う。


気になった作品は他にも有りましたがうまく紹介できそうなものを優先的に書きました。この展覧会は3月2日まで開催されているので気になる方はぜひ!余裕で1日潰れますよ!

最後にパンフを。
卒展