少し前からインスタやTwitterでこのワードを目にする。ともに投稿される写真や動画から推測し、おおよそ「こういった意味なのだろう」と意訳して眺めていたが、ふと調べてみることにした。
2の意味
スラングの1つ。多義にわたるため、ここでは1つずつ紹介する。
これらの意味がどのように派生したのかは不明である。すべて元をたどると同じ出所である可能性も考えられる。
非常に良い主にアイドル用語として使われることが多かったが、単純な意味のため近年では様々な人の間に広がっている。「他に勝るものがない」という意味から恐らく派生したのではないかと思われる。
(例)今日のライブは○○くん/○○ちゃんが優勝!
酒を飲み高揚感を味わう出所は2015年前後のオタク用語とされ、2019年現在でも一部で使われている。「魔剤」などとともに紹介されることが多い。「セイクで優勝」と言った場合、「酒(→sake→セイク)」を飲んで楽しむという意味になる。
(例)今日は日本酒で優勝しました!
セックスをする2017~2018年のエリート男性を狙うTwitterのアカウント「暇な女子大生exit」が使っていた表現。
使用例は諸事情により割愛する。
おおよそ予想は当たっていたというわけか。
意味がわかったところでひとつ気になることがあった。それは引用部の
出所は2015年前後のオタク用語とされ
ここである。
これが真なのであれば、私は少なくとも2020年の今日現在までこの「優勝する」または「優勝していく」と接触することなく、意味を知ることもなく過ごしてきたことになる。
ここでひとつの仮説が私の中で浮上した。
それはカルチャーを発信し形作るティーンたち界隈で当たり前となっているものが我々世代(30代前後)まで上がって来ていないのではないかと言うものだ。
これまでも度々こうした感覚に襲われることはあった。
「流行り始める前から」時代、「流行り始めてすぐに」時代、「流行りの終わり」時代、そして「流行ったことすら知らない」時代。
もしかするともうすぐそこまで来ているのかもしれない。
「いやいや」と内心思った同世代には「本当にそうか?」と是非自問してみてほしい。
これは何も流行語だけの話ではない。
流行りの食べ物、場所、音楽、洋服、スマホ、アプリ。
あなたのまわりにあるものは大抵そうだと言って差し支えないだろう。
人は欲しいものを買い、見たいものを見る。
正確には自分が持っている情報の中での話だ。
そして自分が持っている情報が不十分だと気づけば、調べるし、人に尋ねたりする。
が、それも、そうした感覚や行動もどこかでしなくなってしまう瞬間が来るのかもしれない。
生きていくなかで切り捨てられないもの、考えなければならないものが増えればそれだけ頭はそっちちとられる。
「したいこと」からは遠く離れた「しなければならないこと」に。
少しずつ余計な(好きな)ものに割くだけの余裕がなくなってしまうのだ。
kenken726:初めはそれを「たまたま」と思い、やがて「当たり前」になり、「日常」となっていく。