【感想・考えたこと】スターウォーズ エピソードⅨ スカイウォーカーの夜明け を見て 

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なにはともあれ、1977年にエピソードⅣが公開されてから42年の壮大な物語をまとめてくれたJJエイブラムスに感謝を伝えたい。

 

ありがとう。

 

ジョージ・ルーカスから引き継いだバトンを持ちながら走り切ることは容易ではなかったと思う。

常にこれまでの作品と比較されることは勿論、ファンからの声、並々ならぬプレッシャーだったに違いない。

それらを測ることはできないし、知る由もないが、完結作としてエピソードⅨが世に出されたことで、JJにはこれまでのようにまた自由に、素晴らしい作品制作に乗り出していってほしいものである。

 

さて、肝心のエピソードⅨについての所感をまとめていきたいと思う。

 

 

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※以下「エピソードⅨ:スカイウォーカーの夜明け」に関するネタバレが含まれます※

 

はじめに

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まず全編通して感じたのは、執拗なまでのファンサービスが随所に散りばめられていた点である。

ハン・ソロの船であるキャプテンファルコンの元持ち主であるランド・カルリジアンが登場し、チューイと共にファルコン号を操縦しているシーンはさすがに胸がときめいた。

(こうしたファンサービスを極端に批判しているレビューも多々見るが…)

 

ルーカス時代のSWは正直なところ超えられるものではないと思う。

 

一部では創造主などと呼ばれているジョージ・ルーカスだが、そもそもこれだけ壮大なサーガの構想から練り上げて映像化しているのだから、勝ち負けの土俵に乗っていないに等しいのは誰の目にも明らかだという点は否めない。

 

神は崇めるものであって勝負する対象ではないのだ。

 

ただ一方で、エピソードⅦからSW入門を果たした10代20代のファンからの評価は上々だったという話(ソースは忘れてしまったが)からもⅦ〜Ⅸの3部作という観点で見れば、ひとつ纏まりのある作品群であったとも取れるのではないかと思う。

 

私自身はエピソードⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅶ/Ⅷ/Ⅸの6作品をリアルタイムで視聴した組だが、Ⅰ〜Ⅲで描かれているアナキンベイダーの誕生に纏わる師弟関係からは大切なものを多く学んだし、Ⅶ〜Ⅸで描かれた出自を乗り越えた善悪の物語は、わかりやすく楽しむことができた。

 

テンポよく好みの脚本

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話を戻すと、エピソードⅨは、Ⅶ~Ⅸのなかで最も好みの脚本だった。

というのも伏線と回収がテンポよく行われていたからである。

伏線と言っても伊坂幸太郎M・ナイト・シャマランに代表されるいわゆる“どんでん返し”のためのものではなく、視聴者がストーリーに飽きずに鑑賞するために必須のものだと思う。

 

いわば物語にリズムを与えるようなものだろうか。

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順を追って見ていきたい。

 

まずはレイが修行中にしきりに口にしていた「共にあれ」というセリフは物語後半のvsパルパティーンのシーンで回収され、先代のジェダイたちの声を聞くことに繋がった。(にわかでもクワイガンとベン・ケノービ、ヨーダの声はわかったよ)

 

次にエピソードⅦから度々描かれていたレイとカイロのフォース越しによる会話及び物体のワープは、クライマックスでレイからベンにライトセーバーを受け渡すアクションに繋がっている。(ライトセーバーを手におどける仕草はハン・ソロそっくりだったね)

 

また物語中盤で洞窟に住まう蛇の怪我をレイがフォースで治すシーンがあるが、これは惑星ケフ・ビァでベンを治癒させ、自分を取り戻すシーンへと繋がった。

 

このような形でエンタメとして非常にわかりやすく伏線と回収を行ってくれた脚本は好感が持てたし、シンプルに楽しむことができた。

 

強力なフォースとレイの出自

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話は変わるがレイの出自に関しては、正直予想の範疇をでなかったことは否めない節もある。

 

あそこまで強力なフォースを持つのは何らかの血筋が関係していなければ難しいだろうし、SWの歴史上、突然変異的に表れたアナキンを除けば、大半が血統によって強力なフォースを獲得していると見れないこともない。

 

そう考えれば

ベン…ハンとレイアの息子=スカイウォーカーの血筋

レイ…それ以外で強力なフォースを持ちうる血筋=シス側?同じくスカイウォーカー?

という推測はできる。

 

ただこれはSWがたどってきた宿命であり、やはりどこまでいっても“血筋”と“ループ”の物語であることは今回嫌というほど見せられた。

これは良い点でもあり、悪い点でもある。

結局の所、製作サイドは「フィルムメイカーの前にSWファン」だったというところなのだとおもう。

ファンムービーと叩かれてしまうのもわからなくはない。

むしろそう作っていたところもあるのだろう。

 

最後に

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今回のエピソードⅨでSWは一旦幕を閉じることとなる。

シリーズで一貫して描かれていたのは、「自分の未来や生き方は自分自身で選ぶことができる」というメッセージではないだろうかと今になって思う。

血筋や運命に翻弄されながらも懸命に“選択”する登場人物たちは、アナキンもルークもベンも、そしてレイも最終的には“本当の自分”を取り戻すことに成功し、自分の意志で生き方を決める。

安っぽいセリフかもしれないが、SWシリーズは42年という壮大な月日をかけて、かつての少年少女だった私達の背中を今も、そしてこれからも押し続けてくれるのだろう。

 

 

kenken726:いつまでもフォースとともにあらんことを