【巧妙に張り巡らされた罠】『アトミック・ブロンド』 ネタバレ・感想・考察

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©2017 COLDEST CITY,LLC.ALL RIGHTS RESERVED

どうも、洋画大好きkenken726(@ken_ken726)です。

今回はアマゾンプライムビデオで配信されていた『アトミック・ブロンド』を鑑賞したので、ネタバレ・感想・考察なんかを書いていきたいと思います。

kenken726:いまさらですがシャーリーズ・セロンって目を見張る美人ですよね…

 

 

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1.ストーリー、アトミック・ブロンドの意味は

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1989年、東西冷戦末期のベルリン。世界情勢に多大な影響を及ぼす極秘情報が記載されたリストが奪われた。イギリス秘密情報部MI6は凄腕の女性エージェント、ローレン・ブロートンにリスト奪還を命じる。ベルリンに潜入中のエージェント、デヴィット・パーシヴァルとタッグを組み任務を遂行するローレン。彼女には、リスト紛失に関与したMI6内の二重スパイ、“サッチェル”を見つけ出すという、もう1つのミッションがあった。リストを狙い、ベルリンに集結する世界各国のスパイ。誰が味方で誰が的なのかわからなくなる状況下、ローレンと世界の運命は?

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 早い話がスパイもの。公式も言っていますが“女007”というテイストで作られています。ちなみにタイトルの『アトミック・ブロンド』は『Atomic blonde』なけですが、「Atomic」は本来「原子力の、原子の」などの意味がありますが、もうひとつ掘り下げて考えると戦争における最後の手段が原子爆弾「Atomic bomb」から、最終手段として使うほどのエージェントであるローレンのことを『Atomic blonde』と呼んでいたのかもしれません…。

 

kenken726:以下ネタバレありです。

 

2.結末

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いきなり結末に触れますが、この作品の主人公ローレン・ブロートンはリストの奪還と“サッチェル”という二重スパイを探し出すミッションを帯びています。が、このサッチェルという二重スパイ、実はローレンなんです。本編を一度見ただけだとわからないかもしれませんが、終盤のシーンで黒髪に染めたルックスでローレンはKGBの諜報員とホテルの一室で会っています。そしてリストを渡すふりをして全員を殺害。そして黒髪のウィッグをはずし、空港へ向かい、ジェットに乗り込むと取り調べのシーンに終始登場していたCIAの諜報員が中で待っています。そしてブロートンに向けて「私が“クソ野郎”?」と問いかけ、ローレンが笑みを浮かべて暗転します。

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ここが繋がってるんですよね©2017 COLDEST CITY,LLC.ALL RIGHTS RESERVED

つまり、ローレンが二重スパイだと報告し、ベルリンで射殺したパーシヴァルは裏切り者ではなく、本当にMI6の凄腕諜報員だったということ。そして作中で唯一「ローレンが裏切り者ではないか?」と疑っていたキャラクターというわけです。

なおMI6はイギリス、CIAはアメリカ、KGBソビエトの秘密情報機関ですが、ローレンは作中で、MI6の諜報員を演じながら、KGBにも通じているようにみせ、最終的にはCIAの諜報員だった、つまり二重スパイならぬ、三重スパイだったという結末。いや恐れ入りました。ありがちな展開とはいえ、最後のシーンを見るまでは本当に誰が二重スパイ“サッチェル”なのかまるでわからないし、もっと言えば誰がサッチェルでもおかしくないような怪しさを纏っているのです。

 

kenken726:この結末ありきで頭から見ていくと色々発見があります。なので二回目から違って見えます。 

 

3.ローレンの目的と構想は

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二重スパイならぬ三重スパイであった“サッチェル”ことローレンですが、そもそもどんな目的と構想だったのか、について考察してみます。

目的:CIAにリストを渡すこと

構想:ベルリンの同胞諜報員(パーシヴァル)にリストを奪わせ、その後“サッチェル”としての濡れ衣を着せ殺すことで、MI6に対してリストの所在をうやむやにさせながら、手に入れる。さらには“サッチェル”はもうこの世にいない、という嘘の情報を流し、今後さらに自身が動きやすくする。

といったところでしょうか?

特に秀逸だったのは、この“サッチェル”の濡れ衣をパーシヴァルに着せ、殺したこと。しかもこのシーンの段階では見ているこちら側も「やっぱりこいつだったか」と思わされる展開だっただけに上手さを感じました。

 

4.酒による印象操作

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冒頭からローレンはウォッカ、つまりロシアの酒を度々飲んでいます。そしてベルリンの諜報員パーシヴァルは度々ジャックダニエルを手にし、あおるシーンが描かれます。これはウォッカ=ロシア(ソビエト)=KGBジャックダニエル=アメリカ=CIAという印象をそれぞれのキャラクターにつけたかったのでしょう。実際にはその通りな部分もありましたが、うまく匂わせているなといったところ。

 

5.音楽の使い方

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全編にわたって音楽が印象的に使われていました。バイオレンスアクションにポップな曲が流れるのは、どうしてもマシュー・ヴォーンの『キングスマン』シリーズを浮かべてしまいますが、『アトミック・ブロンド』のほうが遥かにシリアスかつスタイリッシュに作られています。笑 またシーンが変わるごとに曲も合わせて変わっていたので、その特徴に着目して再度鑑賞してみてもおもしろいかもしれません。伴ってサントラもイイ。

 

キングスマン(字幕版)

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Stigmata

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6.迫力のアクションシーン

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なんといってもこの作品の魅力はシャーリーズ・セロン演じるローレンのアクションでしょう。177cmの高身長から男性に負けない肉弾戦を見せてくれています。個人的に好きなのは、物語中盤のスパイグラスを逃がす最中で逃げ込んだ雑居ビルでのシーン。生活感のある空間で己の肉体とまわりにある道具を使ったアクションはどこか『ジョン・ウィック』を彷彿とさせました。

 

 

 7.絵画のような美しいカット

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そしてもうひとつの魅力は、どこで切り取っても美しい絵画のようなカット。主人公のブロンドがネオンのバックによく映える。さらにシンメトリーとアシンメトリーをうまく使い分けていたり、登場人物を鏡に映しながら見せたりと、いわゆる“画”の力を感じる作品です。

 

8.まとめ

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今回は『アトミック・ブロンド』について書いてみました。今ならアマゾンプライムビデオで見ることができます。ここまで面白い作品がそれほど話題にならなかったのは、終盤まで話が分かりづらい点のせいかもしれませんが、スパイ映画における傑作のひとつであることは間違いないです。

 

 

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kenken726:またみよう。