東京喰種:re 4巻レビュー【たとえ記憶がなくとも】

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前巻までのあらすじ

”力をつけている喰種集団”に立ち向かうため、有馬貴将を超える捜査官を作るべく実践された「クインクス計画」。”喰種”の能力を駆使して戦う、「まともな人間」ではない彼らを、【CCG】局内では穿った見方をする者も少なくない。その指導者である佐々木琲世は、様々な事情を抱えて集まった4人の問題児たちと共に、「オークション掃討作戦」へ参加。多数の捜査官を投入し、制圧を図った結果、Qs班と鈴屋班などの活躍により、作戦は成功を収めた。そして時は流れ…!?(本巻9ページより)

 

※以下ネタバレ含みます。

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4巻のみどころ

◯美食家:月山習の復活

なんと言っても東京喰種時代から他を圧倒する変態性で目立っていた美食家:月山習に復活の兆しが見えたところでしょう。月山家で使用人を務めるカナエ=フォン・ロゼヴァルト(以下ロゼ)は、喰種に関係する情報を商品として扱う堀ちえというカメラマンから「月山習を助ける方法」と称した数枚の写真を受け取ります。その中身は喰種捜査官:佐々木琲世が半喰種:金木研だった頃の写真。その写真を見て多少見た目の違うものの、自分の追い求めていた最高の食材:金木が生きていたことを知って、月山は正気を取り戻します。そう、こんな具合で。

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 東京喰種時代を彷彿とさせますね。薔薇とか咲いてるし。何より肌ツヤがかなり戻ってるのもみてとれます。そもそも月山がおかしくなってしまったのは金木が有馬によって倒されてしまったことが原因。:reは多くの犠牲を出した梟討伐作戦以後の話なので、当然といえば当然。月山が臥している間に【CCG】ではクインクス計画が実行されたり、トーカや四方が新たにお店を始めていたり、多くの事が変わりましたが、今回の展開から考えるとトーカたちに接触して金木(琲世)の肉体とその記憶を取り戻そうと画策するのでしょう。(プチ情報ですが前作東京喰種でも月山が登場したのは4巻でした。やっぱり:reは繰り返しの意味もあるのかな、なんて。)

 

 

 

 

◯琲世の中の金木

オークション掃討作戦で確保されたヒナミはコクリアに収監されています。その尋問を琲世が担当しているのですが、彼女と話すうちに琲世はある感情をいだきます。「なぜヒナミのような子が収監され、ひどい仕打ちを受けなければならないのか」と。人間か喰種か以前に「何故」と感じてもいます。

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また、前々から金木の亡霊のようなものに度々語りかけられていたこともあり、琲世自身も自分がかつて金木研だったことを認識し始めています。喰種捜査官という立場もあり、まわりにそのことを話すこともできずにいた琲世は自身のことを「お兄ちゃん」と呼ぶヒナミにそのことを語ります。そして自分はどこまでいっても金木にはなれない、ということも。

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琲世の訴えを聞いたうえでヒナミは正直に悲しいと伝えます。ですが、その上で彼女はこうも伝えます。「そこが似ている」と。

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似ている点で言えば、琲世は喰種捜査官でありながら、喰種の扱いや人間性(喰種だから喰種性か)に目を向けており、すべての喰種を排除する必要はないのではないかと考えている節があります。そして、この「喰種と人間を繋ぐ」という役目/考えは半喰種だった金木もかつて描いていた夢でした。すべての人間が善人でないように喰種にも見境なく人を殺める者もいます。ですがトーカや四方、金木のように人間との共存を望んでいるものもいることを互いに理解することを目指していました。金木は喰種側としてその考えを知りましたが、琲世は捜査官(人間)側として喰種と接していくうちに知っていくのではないかと。

 

4巻の残念ポイント

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なんといっても戦闘シーンの少なさでしょう。ロゼによる月山復活の話や琲世と金木の話に重点を置いている為、仕方のないことともいえますが、やっぱり見たいのは赫子やクインケを使った戦闘ですよね。4巻でもあるにはありますが、やはり物語部分に重点を置いているのは明白だったので、淡白な描かれ方だったように思います。ただし喰種化した亜門も今後登場するでしょうし、琲世が金木を抑えきれなくなったりもすると思います。そこにヒナミやトーカ、月山が絡めば間違いなく【CCG】と喰種の戦いになるでしょう。また、梟討伐作戦のような惨状は見たくないものの、想いを背負った戦いをまた見たくなってしまうのは本音ですよね。

 

 

 

 

 

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(次巻は12月発売らしいですよ。)

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