途中でやめた本の中に挟んだままだった空気を読むことに忙しくて今まで忘れてたよ-栞/Radio Bestsellers
主人公(おそらく男の子)人の入れ替わりが数多くある季節/環境の変化に対応することに追われてしまい、本に挟んでいた栞を忘れてしまっていた、という様子が浮かびます。
句読点のない君の嘘はとても可愛かった後前逆の優しさは少しだけホントだった-栞/Radio Bestsellers
では、シーンががらっと変わりますが、冒頭と同じく主人公の彼女を見た彼側からの視点で歌っています。「句読点のない」という表現は"一息で"、"一気に"という様子が浮かび、もう少し噛み砕くと"誰が見ても明らかな嘘"あるいは"本心ではない嘘"といったところでしょう。そしてその本心に気づいていた彼はその様子を愛おしく感じています。
簡単なあらすじなんかにまとまってたまるか途中から読んでも意味不明な二人の話-栞/Radio Bestsellers
もう終わってしまった二人の物語ですが、二人にとっては特別なものでした。つまり二人にしかわからないもの。その特別で大切な物語を"簡単なあらすじ"で纏めることは難く、始めからしっかり読み返さなければ支離滅裂な"意味不明な二人の話"になります。
桜散る桜散る ひらひら舞う文字が綺麗「今ならまだやり直せるよ」が風に舞う嘘だよごめんね「新しい街に行っても元気でね」-栞/Radio Bestsellers
桜が散るのは季節の終わりや別れを連想させますが、美しく目に映るのもまた、散り際です。散る桜の花びらと当時伝えたかった言葉たちを重ねて"綺麗"と纏めています。「言葉」でなく「文字」としているのは、「言葉」としてまとまっていた桜が散っていくことで「文字」に、花びらに別れていくから。
桜散る桜散る お別れの時間が来て「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」うつむいているくらいがちょうどいい地面に咲いてる-栞/Radio Bestsellers
この詞は彼と彼女どちらの想いとも取れますが、これまでの流れから考えると彼の想いでしょう。”お別れの時間”という詞から駅のホームや発車ベルなんかが連想されました。かぎかっこで囲われてはいますが、きっと口にはしていないであろう言葉なのも、読み取れます。
ありがちで退屈などこにでもある続きが開いたら落ちてひらひらと風に舞う迷っても 止まっても いつも今を教えてくれた栞-栞/Radio Bestsellers
少し飛んで2番のサビですが、ここでの”ありがちで退屈などこにでもある続き”は彼が思い描いていた二人の未来だったのでしょう。終わりを迎えたことで、その未来が風に待っていく。
ありがちで退屈などこにでもある続きが終わってからわかってももう遅いのにな-栞/Radio Bestsellers
彼女との別れを経て”ありがちで退屈などこにでもある続き”だと思っていた日々が、いかにかけがえのないものだったのか気づきます。ただ、そのことに今更気づいても彼女との関係を修復するには至りません。人は自分がいかに恵まれているか、幸せなのかに気づかないことのほうが多いといいます。ありがちなことも、退屈なことも、どこにでもありそうな日々も、本当はどこにもない唯一無二のもの。
- 本
- 甘酸っぱさ
- 別れと出会い
- 桜
kenken726は…