【この人と友達になるお仕事です】火曜ドラマ カルテット 第一話 感想/考察

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始まりましたね

今クール最注目ドラマが。カルテット。

www.tbs.co.jp

 

まだ第一話しか放送されていないので、なんともですが、ざっくりと内容を説明するのであれば”ラブ・サスペンス”なんだそうです。ラブの部分とサスペンスの部分…。おまけにCMでは”全員片思い、全員嘘つき”なんとも意味深な宣伝の仕方ですよね。

 

 

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肝心の第一話は

もたいまさこ演じる謎の女性が、この記事のタイトルにもなっている”この人と友達になるお仕事です”と満島ひかり演じるすずめに声をかけるところから始まります。誰かに”この人と友達になりませんか”と言われる状況なんてまず有りえませんし、それを受けるほうもかなりの変わり者なはず。でもこの写真の松たか子演じる真紀以外の3人は、そんな依頼を受けて”偶然”を装って出会う…。

 

俳優陣は正直ベテランといっても申し分ない顔ぶれ。脚本を担当している坂元裕二といえば”最高の離婚”でも脚本を担当していたことが記憶に新しいですが、今回も初回からワクワクさせてもらいました。冒頭の”唐揚げにレモンをかけるか否か論”のシーンではやたらとセリフじみた言葉が続きますが、どこか現実でもありそうな親近感を覚えるのは役者と本が噛み合ってのことだと思います。緩めるところは緩め、締めるところは締める、そんな緩急の効いた作品を期待してしまいます。真紀が第一話で二度口にした”人生には三つの坂がある。上り坂、下り坂、そしてまさか。”これがこの作品のキーであり、モチーフなのが、このあとどう効いてくるのか楽しみでなりません。

 

 

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なぜDonuts(hole)なのか

彼らが組むカルテットの名前は”Quartet Donuts”

途中で”hole”が足され、”Quartet Donuts hole”となります。

この”hole”を足すシーンは、イッセー尾形演じるピアニスト、ベンジャミンの嘘を真紀が告げ口することでライブレストランでの演奏権を奪ったことがきっかけとなります。4人が後ろめたさを感じ、(主に松田龍平演じる別府ですが)軽い言い争いになります。音楽をするための嘘、同情、思いやり、様々な言葉が飛び交います。が、4人はそれぞれ自分を守るために、自分を隠すために言葉を選んでるに過ぎず、それぞれがそれぞれを罵りあうことに。その場では解決策を見つけられず、最終的に、言い出した別府が”自分のせい”とその場を収めます。(結婚てなんですか?のくだりは割愛で)ライブレストランでの本番前、ベンジャミンの”音楽っていうのは、ドーナツの穴のようなもんだ。何かが欠けているやつが奏でるから音楽になるんだよね”という話を聞き、演奏へ。演奏が終わると自己紹介に口を開いた別府が”こんばんは、Quartet Donuts holeです”と”hole”を足した形で自己紹介したことで、メンバーは驚きながらもそれを受け入れます。

 

この自己紹介のシーンについての言及がないことからも別府の心情を推し量り、”hole”の追加を容認したのでは。また、言い争いの場では却下されてしまったせめてもの”思いやり”を”hole”の追加で表したかったのでしょう。それがわかっていたから誰もなにも言わなかった。まあ言ってしまえば、そもそも頼まれて友達になっているような集団なので、名前などなんでもいいのかも知れませんが。別の面からみると、このシーンで人に流されそうな別府の案外自分勝手な部分が垣間見えることとなり、”いざとなると行動できる人”というイメージを植え付けたかったのかも知れません。

”私達、アリとキリギリスのキリギリスじゃないですか。音楽で食べていきたいって言うけど、もう答え出てると思うんですよね。私達、好きなことで食べていける人にはなれなかったんです。仕事にできなかった人は決めなきゃいけないと思うんです。趣味にするのか、それでもまだ夢にするのか。趣味にできたアリは幸せだけど、夢にしちゃったキリギリスは泥沼で。ベンジャミンさんは夢の沼に沈んだキリギリスだったから嘘つくしかなかった。そしたらこっちだって奪い取るしかなかったんじゃないですか?”言い争いのなかで、このようなセリフがありますが、これは多くの人が目を背けている現実を突きつける痛烈なセリフ。正論を言うことは簡単ですが、実際にそう生きる、そう行動することは難しく、誰もがわかっていながら、常に正しくあろうとすることは最も険しい道と言えます。同じシーンで”壁に画鋲を刺す”という表現が”自分のやりたいことをやり、生きていくこと”の比喩として使われていますが、これも突き刺さるような秀逸なセリフ。”壁に画鋲を刺すこと”も、”自分のやりたいことをやり、生きていくこと”も広い意味で捉えれば、同じことですが、前者はできても後者はできない、そしてそのどちらもできない人も世の中には確実にいる、ということを改めて認識させてくれますし、そういった現実から目を背けながら皆が生きていることも改めて考えさせられます。このような暗く、重い内容を暗に示しながら、ドラマとしてはテンポ良く進んでいく。あとから振り返ってみたり、もう一度見返すことで深まる作品なのかもしれません。

 

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今後の展開は

この三人がどのような背景から真紀に近づいたのかが少しずつ描かれていくのでしょうか。はたまた、恋愛要素を強めていくのか。真紀の夫の母親と思しき女性の狙いは?まだまだ明かされていない謎が多い。目が離せませんね…。

 

 

 

 

kenken726は…

(こりゃあ久々に毎週待ち遠しいかもしれない。)

 

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